「人は”ない”ものが欲しい」—アトモスの創業者、本明秀文さんのこの言葉は、消費者の本質を鋭く突いています。そして、私はこの言葉を深く実感しています。
サーフィンを愛する私にとって、海を離れている間のアイテムもまた、次のサーフィンにつなげる大切なツールです。その代表が、日々身に着ける腕時計です。世の中には実に多くの腕時計がありますが、アナログ、デジタル、スマートウォッチと、それぞれ目的や機能は千差万別です。
例えば、私が愛用するCASIOのG-LIDE GBX-100 Seriesは、潮汐情報を示すタイドグラフのデザインが秀逸で、波を待つ時間さえも楽しくなります。しかし、時刻を直感的に把握したい場面では、やはりアナログ表示が恋しくなるのも事実です。
そこで私なりの理想の腕時計の条件を考えてみました。
・海(サーフィン)への愛を感じさせるデザイン
・視認性の高いアナログ表示(スモールセコンド付き)
・ストーリーや背景を語れる物語性
・海で役立つタイドグラフと十分な防水性能
・シンプルで飽きのこない構造と外観
・修理が可能で、長年のパートナーとして付き合える信頼性
しかし、こうした理想を追求すればするほど、これらすべての要素を満たす1本は、既存の市場には見当たらないことに気づきました。
人間は”ない”ものにこそ強く惹かれます。しかし、この「ないものねだり」の裏側に新たな市場が眠っているのではないでしょうか。この”ない”ものにこそ、誰かの悩みを解決するヒントが隠されていてると私は思います。