現代社会は、ストレスと不安の波が押し寄せています。私たちは常に何かに追われ、「今、この瞬間」に集中することは難しいです。そうした背景もあり、最近ではマインドフルネスという言葉を耳にする機会も増えました。
マインドフルネスとは、「今、この瞬間」に意識することです。一般的に「マインドフルネス」という言葉を聞くと、静かな瞑想を思い浮かべるかもしれません。しかし、私はこの「マインドフルネス」を深く体感できる効果的な実践の場こそが、サーフィンのテイクオフだと考えます。
サーフィンをしているとき、テイクオフの一連の動作の中では、仕事やプライベートの悩み、不安が入り込む余地はありません。サーフィンは変動性のある自然環境を相手にし、意識を集中せざるを得ない状況が半強制的に作り出されます。この必然性がマインドフルネスの実践における強い効果を生み出し、ストレスの軽減と精神的なリフレッシュへとつながります。
テイクオフは無駄な力が入らないことが重要で、集中とリラックスが融合したような状態が理想的だと考えられています。波に合わせて身体を反応させるには、意識的な集中と、無意識の身体感覚によるバランスが重要です。
まず、テイクオフの一連の動作は、沖合のうねりを察知することから始まります。そのうねりがどのようなブレイクに変容していくかを想像する必要があります。
次に体のパーツについて検討していきます。体幹や腹筋、肩甲骨や骨盤底筋群などは体の主要部分になります。上半身では、目線、顎の位置、肩、腕、手などがポイントとして挙げられます。手は例えるなら「オール」ですが、それぞれの指の力加減、角度、向き、掌の形などでも個性がでます。下半身も同様、例えば足の揃え方でテイクオフの滑り出し方に変化があります。
スムーズなテイクオフで波に背中を押されたとき、自然と一体化している多幸感が全身を駆け巡ります。波に置いて行かれたときは、一般的な「悔しい」という感情とは異なる、子供との追いかけっこに興じるような遊び心に満ちた感覚に包まれることでしょう。
自分のコンディションは忙しい日々で見過ごされがちです。テイクオフによって、予期せぬ状況にも動じることなく、柔軟に対応する力、そして何よりも、自分自身の内面と向き合い、心の平安を見出す術を体得することができるのです。
しかし、実際に海に足を運んでも、サーフィンに適した波がいつもあるわけではありません。また、道具を揃えるのにお金が掛かったり、一定のレベルに達するまでスキルを磨く必要があります。それでも、日々の悩みや不安に囚われている人には、一度サーフィンを体験してみることをオススメします。
たとえ1回きりのサーフィンで楽しさがわからなくても、少しだけ続けてみてください。その先にはきっと何ものにも代えがたい喜びが待っているはずです。