サーフィン

七里ヶ浜での青春

七里ヶ浜でサーフィンをするたび、私は「青春」とはいつの時代を指すか、その問いを自分自身に投げかけます。ウミネコが目の前を低空で滑空し、太陽の光を浴びてきらめく波間に、銀色の魚が勢いよく跳ねる。海の真ん中で波を待つその背には学校があり、134号線には裸足で歩く学生の姿があります。

ちょうど浜辺にいる学生と同じ年齢の頃の私は、未来に希望を見いだせず、心を閉ざしていました。私に青春時代は訪れていません。いつも曇り空でした。

そんな私がサーフィンと出会ったのは、30歳頃のこと。海にその身を委ね、夢中で水を掻き、はじめて波の上に立ったとき、それが、ドーパミンやセロトニン、オキシトシンによる作用なのか、それはわかりませんが、波のように寄せては返す陶酔感がありました。ガツンという衝撃というよりも、ただひたすらに目の前の波を追いかける没頭感。この感覚に初めて出会った私は、”夢中”を繰り返すうちに、少しずつ心のしこりが波に溶けていくようでした。

今、岸にいる放課後の少女たちと同じくらい、私は「青春」していると思います。年齢を重ね、苦い経験を経てから知ったこの海の輝きこそが、私にとっての青春のとばりです。

初めてサーフィンをしようと思ったときのことを、今でも覚えています。「30代から始めるのは遅すぎるのでは」という葛藤を抱えながらも、恥をしのんで海へ向かいました。向かった先で出会ったのは、私と同じように初心者だという50代の男性。奮闘する姿や、波と戯れている表情を見て、「年齢なんて関係ない」と思いました。

青春とは、人生の特定の一時期を指す言葉ではないと思っています。それは、新しいことに挑戦する気持ち、未知の世界に飛び込む勇気、そして、今この瞬間、やりたいことをやる心そのもののことです。

昔の私のように、今、曇り空だと感じているあなたへ、
年齢や過去の自分に縛られることなく、やりたいと思ったらやりましょう。

-サーフィン

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