サーフィン

動機づけ再定義

学習者や他者の動機づけを考える上で、ケラー(J.M.Keller)が提唱したARCSモデルは参考になります。このモデルは、対象者の関心や意欲を高めるための4つの要素で構成されています。

・Attention (注意) :学習者の関心を捉え、好奇心を刺激する
・Relevance (関連性) :学習者の肯定的な態度を引き出すように個人的ニーズを満たす
・Confidence (自信) :学習者が成功し、自身で統制できる感覚を持てるようにする
・Satisfaction(満足感) :達成を報酬(内的、外的)によって強化する

 

私が他人にサーフィンを楽しんでもらうための動機づけを考えると、以下のようなアプローチが有効だと考えます。

・潜在的に興味のある人
サーフィンの魅力を伝え、自分ならではの楽しみ方を見つけてもらう。
私自身は30歳頃にサーフィンを始めました。その経験から、「何かを始めるのに遅すぎることはない」と伝えられます。
また、楽しさだけでなく危険面も正直に伝え、主体的に取り組む大切さと自己責任の意識を理解してもらいます。

・全く興味のない人
動機づけは非常に困難ですが、まず小さな体験や問いかけで興味を喚起します。

ARCSモデルの問いかけによる動機づけ

具体的には、自らに以下の問い(プロセス質問)を投げかけることで、体験者の動機を引き出します。

Attention(注意):どうすればサーフィン体験をより刺激的で面白くできるか?

Relevance(関連性):どのように提供すれば、体験が価値あるものと感じてもらえるか?

Confidence(自信):どうすれば成功体験を促し、自身でコントロールできる感覚を持たせられるか?

Satisfaction(満足感):体験者が満足し、サーフィンを継続したくなるためには何ができるか?

 

私自身のサーフィン体験を振り返ると、最初から完璧に波に乗れたわけではありません。しかし、試行錯誤そのものが楽しく、海に浸かるだけで自然との一体感を感じられました。この体験こそ、内発的動機づけの典型です。行為そのものの楽しさが原動力で、金銭的価値は関係ありません。

一方で、生活のために働く仕事は外発的動機づけの典型です。お金を得ることが目的で、行為自体の楽しさは必ずしも伴いません。

さらに、動機づけには中間的なものも存在します。

・取り込み型動機づけ:「~すべき」「~しなければならない」という責任感や使命感から行動する。外発的動機づけではあるが、心からの楽しさには繋がっていない状態。

・同一化的動機づけ:価値や目的を自分と同一視して行動する。「自分のため」に取り組み、楽しさや成長に繋がる状態。

私の場合、仕事は取り込み型から始まり、現在は同一化的動機づけに移行させようしています。業務の専門性を高めることで、ライスワークをライクワークに変える試みを続けています。

 

ところで、為末大氏の著書『熟達論』では、熟達への道を5段階で説き、はじめに「遊び」が重要だと指摘しています。つまり、内側から自然に湧き上がる好奇心が熟達の第一歩です。

そして現在、私はサーフィンの内発的動機づけを収益化する試みとしてこのブログで執筆したり、仕事にサーフィン的楽しさを取り入れるため、自己研鑽を通じて新たな発見や成長を検証しています。

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