海は、誰のものでもありません。広大な海は、誰か特定の個人のものではなく、人類のかけがえのない共有資産です。その青く輝く水面を前にすれば、誰もが安らぎと開放感を感じるでしょう。しかし、その「安らぎ」が、無秩序な状態によって脅かされたとしたら、どうでしょうか。私たちは、その安らぎを守るために、ある種の制約を受け入れる必要があります。
サーフィンは、波と一体になる素晴らしいスポーツです。しかし、多くのサーファーが好きなように波に乗ろうとすれば、たちまちトラブルが絶えなくなります。衝突事故や、波を待つ順番を巡る言い争いが生じることでしょう。誰もが安全に楽しくサーフィンをするためには、暗黙の了解や、ときには明文化されたルールが必要です。一本の波に一人のサーファーしか乗れないという「ワンマン・ワンウェーブ」の原則や、波のピークに最も近いサーファーが優先される「ドロップイン」の禁止など、互いの安全と楽しみを尊重するためのルールが自然と作り上げられました。
こうした「統一」への流れは、サーフィンに限ったことではありません。かつて、無線技術の世界でも同様の混乱がありました。様々な規格が乱立し、機器同士に互換性がなく、ユーザーは不便を強いられていたのです。そんな中、規格を統一する動きが生まれ、私たちが今当たり前のように使っているBluetoothが誕生しました。電子機器を無線でトラブルなく瞬時につなぐこの技術は、まさに「青」の規格統一がもたらした恩恵です。(ちなみに、私はiFi audioの ZEN Air Blueを愛用しています)この無線技術の統一がもたらした恩恵は、規格の異なる機器が共存し、トラブルなくスムーズに繋げる「協調」の重要性を物語っています。
海は、マリンスポーツを楽しむ人、漁師、釣り人、海水浴客をはじめ、目的や立場が違う中で共存しています。だからこそ、互いを尊重し、譲り合う精神が不可欠なのです。