サーフィン

音と波の融合

私は休日になると、海へ出かけてサーフィンを楽しんでいます。どれほど忙しい日常であっても、波に乗ることで心身がリセットされ、頭の中もリフレッシュされます。この時間は、私にとってかけがえのないものです。

そんな日常の中で、最近、自宅のオーディオ環境を見直しました。多くの人が馴染みのあるイヤホンやスピーカーとは違い、「ミキサー」という機材にまで意識を向けている人は、決して多くはないでしょう。

ミキサーは、音楽ライブやスタジオで用いられる、音を制御・調整する機材です。楽器それぞれの音色や音量は異なるため、聴衆にとって心地よい音として届けるには、全体のバランスを整える必要があります。ミキサーは、音量、定位、トーン、エフェクトといったあらゆる要素を操作し、音を「まとめる」「分ける」といった調整を行います。その役割はまさに音響界の“司令塔”。しかし、その存在が前面に出ることはなく、「影の立役者」として全体を支えています。

実はこの「目立たないけれど、全体のバランスを整える存在」の大切さは、ミキサーとサーフィンに共通する部分があります。

サーフボードの設計にはトレードオフの関係が常に存在します。

ボードを長くすれば安定性は増しますが、操作性は下がります。

ボードを短くすれば操作性は高まりますが、安定性に欠けます。

幅、厚み、素材、フィン、テール形状など、すべての要素には利点と欠点があり、どれかを優先すれば、他が犠牲になるという構造です。そのため、サーフボードのデザインはなんとなく作られているのではありません。職人による繊細な調整と試行錯誤の結晶であり、目的に応じた最適なバランスを探る思想の具現化と言えるでしょう。

この構造は、ミキサーにも共通します。たとえば、歌い手のメッセージを重視する場では、ボーカルがクリアに際立つよう音を調整します。一方で、インストバンドの演奏では、すべての楽器が調和するよう、各音の配置やバランスを丁寧に整える必要があります。つまり、何を目的とし、どのような世界観を聴き手に届けたいのか――その目的に応じて、最適な「音のバランス」は変わるのです。

サーフィンも音響も、見えないところで行われる細やかな「調整」によって、はじめて全体として機能します。目には見えないが、確かに存在するトライ&エラーこそが、受け手の体験の質を高めているのです。

表には出ずとも、影で全体を支える存在。その役割を担うことの重要性を、私はサーフィンとオーディオの両面から深く実感しています。

【MIDAS】DM12【アナログミキサー】
created by Rinker
¥94,908 (2025/08/25 03:12:38時点 楽天市場調べ-詳細)

 

-サーフィン

© 2025 Kabocha blog Powered by AFFINGER5