最近、新しい仕事の取り組み方を模索しています。特に「価値提供とは何か」について考える時間が増えています。きっかけは趣味のサーフィンです。サーフィンは様々なことを教えてくれました。このサーフィンを通じて得た学びを仕事に活かしたり、もっとサーフィンをする時間を増やしていきたいと思っています。しかし、今の自分の働き方がどこかしっくりきておらず、このまま時間だけが過ぎていくことに、淡い焦燥感を覚えています。
私にとっては「価値提供」という言葉がテーマです。価値提供は一言でわかりやすい方がいい。しかし、この一言化が非常に難しい。価値を創り上げるアイデア力も必要です。自分の”好き(得意)”と社会課題のマッチングも見出せません。そもそも自分が何者かもわかりません。さらにややこしいのは、人は世間の影響を受けながら、価値観も変わり続けるという点です。実際に何を「価値」と受け取るかは本当に人それぞれです。
そうなると、そもそも価値提供とは何を基準に考えればいいのでしょうか。自分の経験やスキル、興味をどう組み合わせればいいのでしょうか。人の価値観が揺れ動くのなら、その定義すら揺れ続けるはずです。少し面倒な言い方になりますが、結局のところ、『自分の挑戦(改善)と、揺れ続ける社会の需要の“中間”の結果』のようなもの、つまり、挑戦(改善)し続けるその態度こそが、価値提供の始まりなのだろうと考えています。
ところで、私はサーフィンで「つながり」を享受しています。それは、波を生み出す自然との連なりだけでなく、海を通じた人との出会いも含めたものです。こうした経験を重ねる中で、自然と人の営みは切り離されたものではなく、循環の中で相互に影響を与え合っているのだと強く感じるようになりました。そんな中、最近とても興味深いビジネスモデルを知りました。(株)TOMUSHIが取り組む「カブトムシ循環」です。
この事業は、創業者が趣味としてどっぷりハマっていたカブトムシを「ビジネスとして成立させたい」という動機から始まっています。しかし、必ずしも順調ではなく、経営難も経験しています。試行錯誤の中で、有機廃棄物をカブトムシの餌に転換し、その消化・成長を通じて堆肥やタンパク源へと再資源化する現在の循環型モデルが形成されています。
私はこれを見て、趣味として向き合ってきたサーフィンを個人の楽しみにとどめるのではなく、価値提供させたい(ビジネスとして成立させたい)気持ちが強まっています。「カブトムシ」が示す、“好き”を起点に循環と価値を生み出すモデルは、大きな示唆を与えてくれています。
ここまであれこれ書いてきましたが、実際のところ、私はまだ答えを持っていません。価値提供のかたちも、新しい仕事の方向性も、明確な輪郭にはなっていません。どちらかといえば、手ごたえがないという感覚のほうが近いかもしれません。ただ、だからといって立ち止まることが正解とも思えず、むしろ「見えないまま動く」という選択肢しか残っていない気がしています。
その時にふと思い浮かぶのが、サーフィンの「ドルフィンスルー」です。「ドルフィンスルー」とは、サーフィンで沖へ向かう際に、目の前に波が迫ってきたときの突破方法です。波の力を正面から受け止めてしまうと、押し戻されて前進できず、体力を消耗します。そこで、サーフボードごと身体を沈め、波の下をくぐり抜けることで、水面にぶつかるエネルギーを回避します。成功すると、強い波を正面から受けたとは思えないほど、スムーズに前へ抜け出せます。
私が暗中模索している「価値提供」へのブレイクスルーも、この感覚と同じように抜けられたらいいなと思っています。波を正面から受ければ押し戻されますが、パワーの少ない位置を見つけて潜り込めば、前へ進むための道が生まれます。私は現状に否定も肯定もしません。ただ、丁寧に状況を判断する積み重ねが次につながっていくのだと思っています。やがて訪れる“価値提供”という波に乗れる日のために、今はできることを頑張っていくだけだと思います。
本記事は、日本経済新聞×noteのコラボ企画「#新しい仕事に向き合うとき」への応募作品として執筆したものです。
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