Phase 3:評価【省みる】
Chapter 10:リエントリー
25. 潔く書き直す、文章から離れてみる勇気
ワイプアウトした後、サーファーは再び沖を目指します。これを「リエントリー」と呼びます。一度失敗したからといって、そこで諦めるのではなく、何が悪かったのかを反省し、体勢を立て直し、再び波に乗る準備をする。このリエントリーのプロセスこそが、サーファーを成長させます。時には、一度陸に上がって休憩し、冷静になってから再び海に入ることもあります。焦ってすぐに再挑戦するよりも、一度文章から離れてみることで、新たな視点や解決策が見つかることがあります。
文章作成における「リエントリー」は、ワイプアウトした文章、あるいはプルアウトした文章を「潔く書き直す」行為、または「一度文章から完全に離れてみる」勇気を指します。書いた文章が目的を達成できていない、読者に伝わらないと感じた時、部分的な修正に留まらず、時には構成全体を見直したり、テーマ設定からやり直したりする抜本的な書き直しが必要になります。これは、一度波に巻かれた後に、より良い波に乗るために沖のポジションを大きく変えることに似ています。
また、書き直す作業に取り掛かる前に、一度文章から物理的・精神的に距離を置くことも重要です。数時間、あるいは数日、その文章から意識を完全に離してみる。その間に別の活動をしたり、全く関係のない本を読んだりすることで、凝り固まった思考がほぐれ、客観的な視点を取り戻すことがあります。まるで、疲れた体を休ませ、潮の流れや波のコンディションを陸から観察し直すサーファーのように、新鮮な気持ちで文章と向き合えるようになるのです。この「離れてみる勇気」が、より深く、より伝わる文章を生み出すための重要なステップとなります。
リエントリー。それは、より良い波に乗るために、今の自分を手放す勇気のことです。