UFOは存在するのでしょうか。 UFOは「Unidentified Flying Object(未確認飛行物体)」の頭文字をとった言葉です。その正体が判明したら何という呼び名がつくのでしょうか。
考えてみると、私たちの身の回りには、このような頭字語(アクロニム)が数多く存在しています。 ということで、私が印象に残った頭字語をいくつか紹介します。
まずはサーフィン界からです。プロサーファーのケリースレーター(Kelly Slater-1972,2/11,~)は「GOAT」の異名で知られています。GOATは、Greatest Of All Time(史上最高)の頭文字をとった言葉です。
1990年にデビューして以来、11度のワールドタイトル獲得、55回のCT優勝など、数々の記録を打ち立ててきました。サーフィンに限らず、スポーツ界では歴史に残る選手に対してGOATという表現が使われることがあります。
次は、私自身が実際に教わった「RICE処置」です。以前、祝日にサーフィンでケガをしてしまい、茅ヶ崎の時間外救急に駆け込んだことがありました。その際、若いお医者さんから教えていただいたのがRICE処置です。
RICEとは、スポーツ外傷に対する応急処置の基本をまとめたものです。骨折、捻挫、脱臼、肉離れなどの場面で活用されます。
- R:Rest(安静):安静にする
- I:Ice(冷却):患部を冷やす
- C:Compression(圧迫):適度に圧迫する
- E:Elevation(挙上):患部を心臓より高く上げる
この四つの単語を覚えるだけで、応急処置の基本を思い出せます。
頭字語はスポーツや医療だけではありません。目標設定の世界にも存在します。その代表例がSMARTです。SMARTは、良い目標を立てるための考え方として知られています。
- S:Specific(具体的である)
- M:Measurable(測定可能である)
- A:Achievable(達成可能である)
- R:Realistic(現実的である)
- T:Time-bound(期限がある)
「サーフィンが上手くなりたい」という漠然とした目標よりも、
「3か月後までに、自分が乗りたいと思った波に10回中7回は乗れるようになる」
と設定した方が、何を練習すればよいかが明確になります。
ここまでで、頭字語には「複雑な考え方を短い言葉にまとめる力」があると感じました。少し大げさな言い方をすると、知識を圧縮する技術です。
せっかくなので、私もブログの「KABOCHA」で頭字語を考えてみました。「KABOCHA」はサーフィンで得た学びを豊かなライフスタイルに活用するための考え方です。
- Know:知る
- Aware:気づく
- Break:壊す
- Open:開く
- Challenge:挑む
- Hook:接続する
- Again:立ち上がる
少し強引な部分もありますが、こうして並べてみると、それっぽく見えますよね?
頭字語(アクロニム)の大きな利点は、「覚えやすさ」にあります。人は、バラバラの情報を個別に記憶するよりも、意味のあるまとまりとして整理された情報の方が記憶に残りやすいことが知られています。
認知心理学では、複数の情報をひとつのまとまりとして整理することを「チャンク化」と呼びます。複雑な情報を一つの塊にまとめ、その塊に名前を与えることで、記憶や再現を容易にする考え方です。
実は、このチャンク化の考え方はサーフィンの上達プロセスにも当てはまります。
初心者のうちは、「波を見る」「ボードの向きを合わせる」「視線を定める」「指先、足を揃える」「力まずにパドルする」「立ち上がる」といった動作を、一つひとつ意識しながら行います。しかし経験を重ねるにつれて、それぞれの動作を個別に考える必要はなくなり、それらは「テイクオフ」という一連の動作として統合されていきます。
つまり、上達とは新しい技術を増やすことだけではありません「点」として存在していた知識や動作を結びつけ、意味のある一つのまとまりにしていく過程でもあるのです。
この考え方は、サーフィンだけでなく日常にも応用できます。日々の気づきを整理し、まとめることで、それらは自分だけのガイドブックとなるはずです。
頭字語とは、そんな知恵を持ち運びやすくするための工夫なのかもしれません。
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